のれんについて。

「のれん」とは何か?正直私にはわかりません。ただひらがな3文字という異端性抜群の勘定科目としか言えないです。というのものれんの本質は学者さんによってそれぞれだし、答えは私には決められません。

一般的には『超過収益力』として説明されることが多いですよね。つまりB/S上に金額化されていないブランド価値とかヒミツのノウハウみたいなやつの価値。この「のれんは超過収益力」という前提で書きます。

簡単に説明するとコカコーラ社をどっかの会社が買収するとします。(まぁあり得ないけど)

コカコーラ社のB/Sには所有しているキャッシュや製品工場の簿価とかが計上されているでしょうが、それらの価値より遥かに高い金額を支払わなければ買収できないのは容易に想像できますよね

なんでもコカコーラの製造レシピは数人しかしらないとか(ガセかもしれないが)そもそもブランド価値がハンパじゃないでしょ。コカコーラを買収というトンデモ話では、これらの超過収益力はきっと買入のれんとしてもの凄い額が計上されるでしょうな。

のれんは償却すべき?

ところでこの”のれん”は日本の会計基準では20年以内に償却されます。一方海外では償却しないというのも普通にあるでしょう。そして償却すべきかすべきでないかの議論は有名です。

今回は償却すべきか?について書いてみます。どっかの国の会計基準が、とか、◯×委員会が、という論調ではなく、会計理論的にどっちが正しいかの個人的意見だけ書きます。

だってそもそも会計基準は政治に左右されているのは言うまでもないし、経済的権力に影響を受けている部分もあるでしょう。だから世界中の会計基準や法律から正当性を導いても、それは会計理論の是非とはまた別の話になりそうなので。たまには自分の頭で考えてみるのも、勉強になるかもしれませんよ。

 

結論から書くと私はのれん償却賛成派です。

元々は非償却派だったんですが、その最も大きな理由は単純で、上の例で言うとコカコーラ社の超過収益力は事実、20年どころか100年くらい保持されていたりするわけです。「なんやったら超過収益力増大してるやろ!」ってなわけです。

つまり超過収益力が衰える期間なんて様々だし、そもそも半永久的に衰えないこともあるかもしれないのに、それを一律の方法で償却して削っていくのは会計的実態を表していない。だからのれんは償却せずに減損で処理すべき!という考えが私の脳裏にこべりついていたわけです。(他にも理由はありますが)

しかし途中で次のように思い始めました。

「てか被買収企業の超過収益力を適切に計上しておく必要性高いか?」

要は、コカコーラ社の買収前のB/Sには超過収益力は計上されていないんですよ。他の企業も当然『自己創設のれん』の計上は認められていないため、そもそもB/Sには「のれん」なるものを計上して適切な超過収益力の価値を表示することは想定されていないはずですよね?

それが「買入のれん」だからって、時間がたてばそんな金額に信憑性は無くなるのはコカコーラの例からも想像できます。そんなもの適切に超過収益力を表していると言えるか?

だから被買収企業の超過収益力情報をその価値に基づいて表示しておく必要性はほとんどないと思ったわけです。

そんなことよりも、全部費用化して収益と対応させ、企業買収の成果を把握する方がより有用な情報だと思いませんか?その妥協点?として『20年以内の償却』だとしたら絶妙な期間だと思います!絶妙なセンス!投資家からしても信憑性が薄れていくであろうよくわからない超過収益力の価値情報より、企業買収の成果の方が有用なものと考えるのではないか。

大まかに言うと、以上の理由からのれんは償却すべきに意見が変わったんです。もちろん反論もあるでしょうし、私としても、”非償却よりは償却する方が良い”という感じの意見であり、完全にのれん償却が理論的に矛盾なしとは思っていません。

また、前提を変えたり、のれん償却派の反論から入るとまた違った議論展開になるかもしれませんね。ヒマな人は自分はどっちが正しいと思うかじっくり考えてみてもいいかもしれません。

まぁこういうのは結局政治力に大きく左右されるんでしょ?って言い出すと冷めちゃうんですけどねぇ。『強いものが正しい』というのが会計の世界にも多少なり当てはまるのは寂しい現実です。。

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