138回日商簿記2級はまたしても”普通ではない出題”だったかと。というか、そろそろ日商簿記は単なるルーティーンワークで受かる試験ではなくなってきたと反省。
株主資本等変動計算書
第2問で株主資本等変動計算書が出題されています。ず~っと長らく、伝票&特殊仕訳帳のコンボが続いていたのですが(銀行勘定調整表もたまに)、いきなりその平穏な空気を壊してきました。
株主資本等変動計算書(S/S)は日商簿記1級の範囲でしょ!?って思ったら、日商の出題区分表に載っていました。しかし以下の注意書きとともに。
株主資本等変動計算書※
※本来的にはそれが表示されている級よりも上級に属する項目または範囲とするが、当該下級においても簡易な内容のものを出題する趣旨の項目または範囲であることを示す。
つまり、株主資本等変動計算書は1級の範囲に入るんだけど、2級でも出しちゃうかもよぉーって予めおっしゃってました。
なんとなく勘で記入しても正解するような問題なので、出来た人も多いかもしれませんが、やはり難易度は高いと言えます。
期末商品の複雑さ
他に難しいといえば、第3問の貸借対照表作成問題で期末商品の計算でした。
問題抜粋
[資料Ⅱ]3.掛け売りした商品¥30,000(原価¥22,000)が返品されていたが、その受入れが未処理のまま。
[資料Ⅲ]1.商品の期末帳簿棚卸高は、¥2,200,000、実地棚卸高(原価)は¥2,232,000、差額は①返品未処理分と②掛仕入¥20,000の計上もれが実地棚卸高だけに反映されていた。また、この返品未処理分の商品の販売可能価額は¥11,000である。
これはちょっとむずかしい。。きな臭~い感じの出題。
B/Sのみ作成問題なので、商品、売掛金、買掛金だけを算出すればいいのでなんてことはない問題かと思いますが。
つまり帳簿上は、返品分の原価22,000と、掛仕入20,000分の記帳を忘れていて、実際に倉庫に入って商品数えたら2,232,000円分あるよ~…さらに返品分22,000は使用済でばっちぃので今後11,000円でしか売れないわぁって状況です。だからこの実際に数えて計算した実地棚卸高(原価)¥2,232,000 から、商品評価損を引いて終了なだけ。
・B/S商品:2,232,000-(22,000-11,000)=2,221,000
簡単に見えるのに、ごちゃごちゃと複雑な指示が多くて難しくなるトリックだぁ!
実際に受けた方の感覚がわかりませんが、正直134回並に難しい回だったのでは?と推測してます。てか変な出題です。作問者の人が変わったのかな?
コメント
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試験の後追いでテキストを作成する専門学校、出版社にも原因があるかと。あそ~ん簿記学校の特級を学べば1級合格の確率が高まるハズ。
今後は特2級の記事もあったら2級受験者は嬉しいかもですね。(特2級って結局1級になっちゃうケド)
無理だろうと思ったら合格してて歓喜してます。
株主資本変動計算書は全く予想してなくて、次の貸借対照表も変な表現が多くて大苦戦。
おかげで全部終わったあとミスが無いか確認する時間が全くなかった。
本当におめでとうございます!!
この難しい回に合格するなんてすばらしいですね!よかったです。
独学で勉強し、2級初受験した37歳男性です。結果は76点で何とか合格。実務経験がないため、株主資本等変動計算書は初見でした。第2問は後回しにして、見馴れた第3問を解き始めたところ、かなり難しくて大苦戦。ラスト20分で第2問に戻り、理解するのに15分位かかりましたがギリギリまで必死で解き、部分点14点GET。諦めなくて良かったです。
おめでとうございます!
すごいですね。初見問題で得点できるのは知らず知らずに簿記の基本が身についているからかと思います。応用が利くほど実力が付いていたということかと思います。
良かったです!
このブログは飽きちゃったんですか?
範囲が大幅に変わって2級で連結、税効果、リースなど盛り沢山になるみたいなんです、、、
初学者にも分かりやすい解説が見たいです。