今回は概念フレームワークについて。

概念フレームワークとは、法律でも基準でもない、エライ人達の英知の結集みたいなもの。つまり、拘束力とかではなくて、

「概フレを参考に基準とか作ってね、みんな。概フレは超偉いんだよッ、ネッ!」

っていうもの。

簿記・会計を学習する人にとって聖書みたいなもので、これはしっかり理解してた方がいい!でも難しい言葉でウダウダ書いてるから読む気失せるし、こんなの合否に直接影響しないとか思って、勉強してない人が多いでしょ??まぁできる限り噛み砕いて書かせてもらいます。(厳密な正しい言葉を使わないかもしれません)

第1章財務報告の目的

概フレではまず財務会計(財務報告)の目的をバシッとキメてます。

(第1章一部)財務報告の目的は、投資家による企業成果の予測と企業価値の評価に役立つような企業の財務状況の開示である。より具体的に言えば、財務報告の目的とは、自己責任で将来を予測し投資の判断をする人々のために、企業の投資のポジション(ストック)とその成果(フロー)を開示することである。

⇒金の亡者である投資家たちにとって、役に立つ情報を提供させてもらいますッ!!ってこと。

つまり、皆さんが学習している簿記の処理、F/Sの作成なんかは、すべてこの金の亡者たちのことを想って作られた基準にもとづいているんですよ。ただし、金の亡者たちに無条件で儲けれる情報は提供せず、「事実」をしっかり開示し、あとはオメーらで投資判断しろッ!って感じです。

これ以降すべての会計処理は、この金の亡者たちの自己責任による予測にとって有用か否かで、作られていると考えてもいいでしょう。

第2章意思決定有用性

次に第2章では、1章に書かれていた「目的」を達成するために備えるべき会計情報の特性が書かれています。

(第2章一部)目的を達成するにあたり、会計情報に求められる最も基本的な特性は、意思決定有用性である。すなわち、会計情報には、投資家が企業の不確実な成果を予測するのに有用であることが期待されている。

⇒「目的」を達成するために最も大切な特性は、金の亡者が将来を予測するのに有用なものであること。。。

そんなん当たり前やんw  ただここでいう『意思決定有用性』という言葉はめちゃくちゃ重要です!すべての会計処理は、この『意思決定有用性』があるかどうかで、必要不必要が判断されるといってもいい。

例えば、最近、包括利益が登場しましたが、純利益は依然として残っていますよね。(利益情報としては純利益が主役)

これは純利益に『意思決定有用性』があると考えられているからです。

なお『意思決定有用性』を支える特性に、次のようなものがあると書かれています。

  • 意思決定との関連性
    • 情報価値の存在
    • 情報ニーズの充足
  • 信頼性
    • 中立性
    • 検証可能性
    • 表現の忠実性
    • 内的整合性
    • 比較可能性

小難しくカテゴリー分けされていますが、要は、『意思決定有用性』を満たしているかどうかは、こいつらに照らし合わせて考えてみ!ってこと。

一つ一つについては書きません。(ちゃんと勉強してください)

特徴的なものをとりあげるとしたら、「情報ニーズの充足」と「検証可能性」です。

よく考えてみて!金の亡者(投資家)は、会社の内部情報や、社長さんの考えている将来の予想を知りたがっているはずですよね?

だって社長は、投資家より会社の将来のことについて深く考えているはずで、儲けるためには、そのような情報も知りたいはずです。これは「情報ニーズ」を充たしているということになります。(間接的に意思決定有用性があると推測できる)

しかし、現行制度上このようなことを表す会計処理は基本的にありませんよね。

例えば、『自己創設のれん』というのがありますが、

これは、社長などが、

社長さん

「わしのカリスマ性が100億やろ!?わしの先見性が50億ぅ!わしの男としての価値が200億ぅ!」

などの客観性の無い金額をあらわします。

ただ、全てが無意味な金額というわけではなく、B/Sに載らない隠れた会社の価値みたいなものでもあるので、投資家たちは知りたがっているケースもあるでしょう。

一方で、「検証可能性」という質的特性もあります。これは、”主観に左右されない、事実に基づくもの”という特性です。上の『自己創設のれん』はこの「検証可能性」に大きく反すると考えられます。

そのため、自己創設のれんには「意思決定有用性」がないと判断され、会計処理として存在しないと考えることができます。

まぁ本当は、自己創設のれんは、そもそも第1章の「目的」に反しているのでダメなんですけどね。(たとえの話ですよ)

かなりめんどくさいところですが、全く知らなかった人は次のことは頭に入れておくといいと思います。

  • 財務報告にはバシッとした「目的」がある
  • 目的を達成するには意思決定有用性が必要
  • 意思決定有用性があるか否かはいくつかの特性から総合的に判断される

今回のことは、得点に直接関係しないことかもしれませんが、すべての理論、すべての計算の根幹をなすことなので、ちょっとだけ書いてみました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメント

    • 匿名
    • 2015年 1月 12日

    概フレが全く見えてきません。
    概フレを無理矢理、企業会計原則に例えると、
    目的→真実性の原則、意思決定有用性→重要性の原則、って感じですか?

    • 概念フレームワークと企業会計原則は同じものとして例えることは難しいです。
      概フレはもっとデカイものを相手にしているはずです。存在しない会計基準についてもあるべきものを規定しているので。
      そもそも会計ってなんのために存在するのかとか、その目的を達成するための方向性が書かれているんです。これから会計基準を新たに作っていくための指針にもなっています。
      一方企業会計原則は昔に作られた簡単な原則です。これはこれで重要ではありますが、概フレのように会計の根幹の理論が書かれているわけではなく、簡単な心構えとちょっとした処理しか書かれてませんよね。

      無理やりそのつながりを考えるとしたら、
      目的 > 意思決定有用性 >>> 一般原則
      という感じではないでしょうか?概念フレームワークのほうがもっと根本的なはずです。

        • 匿名
        • 2015年 1月 13日

        例えば、BSとは何か、と問われたら、投資のポジションと財政状態のどちらの表現を取るかは問題により変わりますか?それとも今後は概フレの表現に統一でいいですか?

  1. この記事へのトラックバックはありません。

第145回日商簿記検定まで
あと( 2406 日オーバー!)日
ページ上部へ戻る