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成果連結(親子会社間取引の未実現利益消去)








1.P社は5年前にS社の発行済株式の70%を取得し、以降S社を連結子会社としている。
2.P社はS社から商品を仕入れ、外部に販売している。なお、S社は原価に毎期10%の利益を付加して商品を販売している。
3.P社が保有しているS社仕入商品は、期首に2,200千円、期末に3,300千円ある。
4.税効果会計を適用する(税率40%)。
親子会社間取引にかかる連結修正仕訳を示せ。
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
利益剰余金当期首残高 | 200 | 商品 | 300 |
売上原価 | 100 | ||
繰延税金資産 | 120 | 利益剰余金当期首残高 | 80 |
法人税等調整額 | 40 | ||
少持当期首残高 | 36 | 利益剰余金当期首残高 | 36 |
少持当期変動額 | 18 | 少数株主損益 | 18 |
"少持"=少数株主持分
なお、平成27年度以降の受験の場合は、少数株主を『非支配株主』、少数株主損益を『非支配株主に帰属する当期純利益』と読み替える。
成果連結修正仕訳の簡単な解説など
親子会社間の取引にかかる未実現利益消去の連結修正仕訳の解法です。成果連結と呼ばれたりしますが、実はこの”成果連結”という言葉は造語です。基準や会計学者の文言ではないのですが、どこかの専門学校が使いだしたため広まったものですので注意。
上記の手順で、商品、貸倒引当金、固定資産などすべての成果連結仕訳を解くことができます。ただし、P/L科目に何になるかは様々ですので、その都度考える必要があります。慣れです。
『消去すべきストック』という言葉を使っていますが、これはある時点において親子会社間取引によって計上されている資産負債の額のうち利益分を意味します。これは非常に重要な考えで、当期末の『消すべきストック』から考える、そして昨年末の『消すべきだったストック』との差額は実現されたフロー(P/L科目)になるという性質を計算テクニックに活かしています。この性質は絶対に理解しておいた方がいいと思います。
仕訳をまる覚えするよりは、はるかに会計理論にそった解き方ではないでしょうか。なお平成27年度以降の試験では「非支配株主」という名称に変わりますので要注意