資本連結論点には以下のパターンが考えられる。

  • 0%→60%(通常の支配獲得)
  • 0%→30%(持分法適用)
  • 15%→60%(段階取得)
  • 30%→60%(持分法からの段階取得)
  • 60%→80%(追加取得)
  • 80%→60%(一部売却)
  • 60%→40%(連結除外からの持分法)
  • 60%→10%(連結除外)
  • 30%→10%(持分法適用除外)

赤で書いているものは日商簿記1級ではほとんどの人が学習しない。まず出題されないと踏んでいるからテキストにも載せないのでしょう。私も出題される可能性はかなり低いと思っています。

でももし出題されてしまった場合、「あ、そういえばアイツのブログで書いてたな!」と思いだし1点でも多く拾ってもらえるように、軽く書いておきます。役に立てなかったらすまん。

とはいっても今回は連結除外だけにしておきます。 また、子会社株式の売却を伴うので、平成27年以降の新しい連結基準では異なる処理になることもあり得るので気をつけてください。

連結除外の処理

まず、連結除外ということは、子会社に対する支配が無くなる→その子会社の存在は連結F/S上抹消されるということを覚えておきましょう。つまりその子会社の資産・負債・評価差額・のれんも全部deleteね。合算しない。

問題は利益剰余金なんですわ。子会社を支配してから純資産項目で主に大きく変動していくのは利益剰余金であり、これも当然全額抹消なんだけど、特殊な科目が出現する。

例:×1年末にS社の60%取得した。×3年末に57%を売却し、連結除外とした。(金額等は省略)

連結除外

タイムテーブル書くとこんな感じになったとします。(タイムテーブルの使い方

連結上で支配獲得から変動している利益剰余金は、青の点線の金額260になる。〔120+270-90-20×2〕

この増えた260をすべて消さなくてはいけないわけですが、

この260のうち57%分は株式売却によって実現したもの。3%分は連結からハブられたことで連結F/S上から消える額。

  • 260×(57%/60%)=247 ← 一部売却と同じで、個別上の子会社株式売却損益の修正
  • 260×(3%/60%)=13 ← 『連結除外に伴う利益剰余金減少高』というS/S科目で消去

もっと小難しくいうと、連結上の簿価と個別上の子会社株式簿価の差額が260になっていて、連結から外れるので個別上の簿価に修正するという意味です。その要因が2つということ。

出題されるとしたら、このS/S上の『連結除外に伴う利益剰余金減少高』はいくらか?という問題になる可能性が高いです。

もう一つ気をつけなければいけないのは、P/LやS/S一部は合算するけど、B/Sは合算しないよ!ということ。もちろん他に子会社がいる前提で考えてな。これはマジで意味わかってくれ。

上の例でいうと×3年3/31に作る連結P/Lには、除外した子会社の収益・費用は合算されて載る(フローだから)。連結B/Sには、除外した子会社の資産・負債・また支配獲得以降の利益剰余金の影響は合算されないし、なかったことにされる(ストックだから)。

これ結構重要だから。「何言うてるんやコイツ??」ってなった人は、ガム買いにいってもう一度考えな。というかさっぱりわからない人は、連結会計の基本を理解していないということなので、こんな難易度が高い論点や俺のことなんて忘れることだ!

 

最後に連結除外の重要な部分をまとめる。この3点だけ頭に入っていれば全滅は避けられるのでは?

  • 連結F/Sでは、除外子会社の影響はすべて消える!のれんなども全部なくなる
  • 利益剰余金の影響もすべてなくなるが、株式売却分以外の部分は『連結除外に伴う利益剰余金減少高』というS/S科目で修正!(これが連結除外の出題の中で最も重要で、配点がくる可能性が高い)
  • 連結除外が期末の場合においては、連結P/Lに子会社の収益費用は合算計上される!(のれん償却額も計上される)

ちなみに新基準(平成27年度以降)においても、同じ処理になると考えます。(ちゃんと調べていないけど)

と、簡単に基本を書いてみたが、まず出ないだろ。もしこういう載ってないの出たら、日本商工会議所は伝説を作ることになるね。合格率0.5%も夢じゃない!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメント

    • ねこっくま
    • 2014年 11月 14日

    10%→30%(持分法適用)
    これは見たことがなのですが、0%→30%とは違うのでしょうか?


    • その指摘旧ブログでも受けてしゅうせいしたはずなんですが、修正前を移していましたw
      ありがとうございます!

        • ねこっくま
        • 2014年 11月 14日

        10%→15%→60%(段階取得)
        これも0%からではないでしょうか?

    • ねこっくま
    • 2014年 11月 14日

    http://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/ronbungoukaku_26_gaiyou.pdf

    社会人で会計士受かる人って63人しかいないんですか?

  1. この記事へのトラックバックはありません。

第145回日商簿記検定まで
あと( 2406 日オーバー!)日
ページ上部へ戻る