連結会計基準改正の影響とは?
- 2014/9/15
- 簿記1級
- 連結会計
- コメント:1,342件
連結会計基準が改正?
既にご存知の方も多いでしょうが連結会計の基準が改正されました。日商簿記検定で新基準が出題されるのは140回試験(2015/6)からなので注意してください。ここでは何が変わるのか?を端的に書きたいと思います。
なお、すでに先走って新基準対応のタイムテーブルテクニックを作成しています。興味ある方は詳細は以下のリンクから。
少数株主から非支配株主
変更点のうち1つ目は、「少数株主」と呼ばれていた言葉がすべて「非支配株主」という言葉に変更されたことです。
改正前 | 改正後 |
---|---|
少数株主持分 | 非支配株主持分 |
少数株主損益 | 非支配株主に帰属する当期純利益 |
他にも純資産科目のうち「少数株主」と付いていたものもすべて「非支配株主」に変わります。
当期純利益の意味合いが変わった!
これが一番衝撃的な変更点なのですが、連結損益計算書の当期純利益の意味合いが変わりました。
改正前 | 改正後 |
---|---|
当期純利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
少数株主損益調整前当期純利益 | 当期純利益 |
つまり今まで「当期純利益」と呼んでいたものは、親会社株主に帰属する利益だけを表していたのですが、改正後の「当期純利益」は非支配株主(少数株主)も含めた全ての株主に帰属する利益となります。そのため、親会社株主に帰属する当期純利益という表示科目が追加されたんですね。
追加取得と一部売却
あと、会計処理として変わった部分もあります。とはいっても大まかには追加取得と一部売却の処理だけです。
追加取得でのれんを計上しない
新基準では、子会社に対する支配獲得時にはのれんを計上しますが、その後の追加取得の際は新たにのれんを追加計上しません。
一部売却でのれんを減額しない
新基準では、子会社株式の一部を売却したとき対応するのれんを減額せず、また売却差額は資本剰余金で処理します。(税金費用の処理はこちら)
これらの処理は別の記事で詳しく紹介しますので、こちらでは簡潔に。
まぁ以上こんなもんです。実は連結会計基準が変わって大きく勉強し直さないといけないってほどでもないんです。だから来年以降に受験される方も心配なく。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
新基準だとのれんが繰延資産と変わらないように感じてしまうんですけど、理論的には超過収益力って理解のままでいいですか?