ふと、昔、不思議な問題に出会ったことを思い出したので書きます。2,3級受験生の理解のたしになれたらと思う。
固定資産の減価償却って、月割計算ですよね。
で、もし8月23日に備品を購入した場合は、(3月末決算)
8、9、10、11、12、1、2、3
と8ヶ月分の減価償却費を計算しないといけません。これは売却した場合も一緒です。
つまり、ある月の1日でも固定資産を使用した場合は、その月の減価償却分も月割計算に含まれるということです。
これは簿記検定での確固としたルールみたいです。間違えないように!!この論点で不思議な現象を目の当たりにしたのだ。
例題
備品(取得原価2,000円、期首減価償却累計額1,200円)を当期の9月25日に下取りに出し、新しい備品3,000円を購入した。下取価格は1,000円であり、差額は現金で支払った。(10年で定額法、残存価額ゼロ)
この仕訳は次のようになります。
旧備品減価償却費:2,000円÷10年×6ヶ月/12ヶ月=100円
旧備品の期首から売却月まで(4月〜9月)の6ヶ月分の減価償却計算を行ないますよね。
つづき
買換えにより取得した新備品3,000円は9月26日から使いはじめた。(10年で定額法、残存価額ゼロ)
この当期に計上される減価償却費はいくらになるか。
新備品減価償却費:3,000円÷10年×7ヶ月/12ヶ月=175円
新備品は9月26日から使っているため、9月分の減価償却費も含めるので7ヶ月分(9月〜3月)の月割計算です。
その問題の答えは「当期の減価償却費275円」となっていました。
おわかりいただけただろうか…
おわかりいただけただろうかァッ!!
不思議な現象でしょ!
旧備品と新備品の使用期間は合計で12ヶ月です。なのに!減価償却費は合計で13ヶ月分計算してるんですよッ!!
霊的な恐怖すら感じる…あるはずのない1ヶ月分の減価償却が…
もし、期中に2回買換えを行なった場合、減価償却は14ヶ月分になるはずです。
会計理論的には12ヶ月分で計算しないといけない気がするのですが、基準等の文言通り計算すると13ヶ月…でも答えは13ヶ月の減価償却で合っているはずです。
試験的には、「減価償却費の月割計算は1日でも使用したらその月も含める」ということは間違えないようにしてください。
コメント
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不思議です•••
とてもためになりました。そしておもしろかったです。
旧備品の使用期間6ヶ月100円と新備品の使用期間7ヶ月175円を足して当期の減価償却費275円で何も間違っていないんじゃ…
旧備品 4.5.6.7.8.9=6ヶ月
新備品 9.10.11.12.1.2.3=7カ月
9月の減価償却費が2種類あるから13カ月になるんです。
上の匿名さん!
解答的に間違ってはないですけど、
常識で考えて、12か月しか使ってないから減価償却費は12か月分だということがいいたいのです!
でも、基準通り月割計算すると、13か月分が計上されてしまう。
旧備品と新備品の9月分がかぶっていることがおかしい。
ここを日割り計算すれば解決なのですが、日割りは固定資産に馴染んでおらず、使えません。
やっぱこわいですね
よく思いついたと思いますさすがっす’’’