オンラインゲーム好きの「げむ男くん」は、オンラインゲーム提供会社ニンテントーのゲームを始めようとしている。
ニンテントーのシステムは、ゲーム内のアイテムなどをポイントで購入する課金制。ポイントは1,000ポイント1,000円のクレジットカード払いで、ポイントの有効期限なし、返金システムもない。
(ケース1)
げむ男
「ポチっとな!よっしゃー!クレジットでポイント手に入れたぁ!やりまくるぞぉぉ」…①
「ふむふむ、、おい!主人公、素っ裸じゃんッ!うほっ」
「とにかく武器防具を買わないと、ないとッ!うほっ」
「なになに、、『ひのきのぼう』400ポイント、『ロトの剣』2,000,000ポイント」
「え!?この二択のみ?、、、面白いじゃんこのゲーム」
「とりあえず『ひのきのぼう』買お〜、ポチっとな!」…②
このとき、ニンテントーはどの時点で収益認識すればいいか?
①か②の時点が考えられるよね。
会計的には、②なんですよ!!
課金が完了してポイントを発行した時点で、返金義務がないため、①で収益認識するように思うけど、会計的には②なんです。(理由は後で)
(ケース2)
げむ男
「よぅし!ボス戦か….身震いするねぇ」
(ベシッ!『ゲムオはしんでしまった』)
「おいッ!なんだよ!強えーよ、、ボス!ムキーッ」
「よし、『薬草』を30こくらい買って挑むか…」
「薬草30こで30ポイントかぁ!ポチっとな!」…③
「っしゃー!もう負けねー」
(ベシッ!『ゲムオは350のダメージをうけた』)
「やべーやべー『薬草』1こ使う!!」…④
(ベシッ!『ゲムオは999のダメージをうけた』『ゲムオはしんでしまった』)
さて、このケースの場合はどっちのタイミングで収益認識すべきか?
③はケース1の②と同タイミングですよね。しかし今回のケースでは④で収益認識が理論的なんです!つまりニンテントーは、次のような収益認識の仕訳をきります。
(ケース1)②に時点で
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
前受金 | 400 | 売上 | 400 |
(ケース2)④に時点で
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
前受金 | 1 | 売上 | 1 |
いやぁ不思議ですねぇ、、会計とゲーム内容がリンクしているみたいで。
この理屈は「収益認識に関する研究報告」(jicpa、p108〜)http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/files/2-11-13-2-20091216.pdf
に載ってます。研究報告に書かれている理由は次の通りです。
まず収益認識の基本である『実現主義』を考えます。
実現主義
第三者に財貨または役務の提供があり、対価として現金及び現金等価物を受け取ったときに収益認識する
ポイントの課金があった時点で『現金及び現金等価物』をうけとっていると言えるため、問題となるのは『財貨または役務の提供』があったかどうかなんです。
(ケース1)では、ゲーム内のアイテム『ひのきのぼう』を買ってもらい、『ひのきのぼう』から得られるゲーム内の効果(攻撃力が上がる)を提供した時点で、役務の提供があったと捉えるべきです。
(ケース2)では、ゲーム内のアイテム『薬草30こ』を買ってもらった時点では、ポイントは減っているが、まだ『薬草』を使っていない!!つまり、げむ男くんはまだ『薬草』から得られる効果を享受していないってこと。そのため、(ケース2)は『薬草』を使った時点で、役務の提供があったと捉えるべきなんです。
っていう感じのことが書かれています。
あくまで会計理論的にはこうすべきなんじゃない?っていうことです。
『リスクからの解放』でいうと、同様に考えられるかと思います。ポイントを付与した時点や、『薬草』を買ってもらった時点では、まだゲームのシステムを維持する義務?がありますから。(返金なしなので、リスクから解放されているとも考えられるが)
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。