のれんの永久コンボ

連結の際に計上されるのれんには税効果を適用しないというのがあります。

「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」52号 には、のれんに税効果を適用すると循環が生じてしまうから、税効果はしないと書いています。調べても細かく書いているものがないので考えてみました。

まず、前提から整理します。

個別会計上の税効果は、税務上の資産負債と会計上の資産負債の差に適用する。

一方、連結上の税効果は、実質的に個別上の資産負債と連結上の資産負債の差に適用する。

税効果図

で、本題ですが、子会社の支配を獲得し連結財務諸表を作成するとき、『のれん(資産)』が出ることがありますが、これは連結上と個別上の資産の差になり、税効果を適用しないといけないはずです!!

のれん税効果

でも永久コンボが起こってしまい税効果は適用しない、と実務指針は説明しています、、、

この理由は次のようになると考えられます。

(例)子会社の純資産の時価1,000、S社株式の取得原価1,000、P社はS社の80%を支配、税率40%

連結修正仕訳は、こうッ!(※平成27年度以降は少数株主→非支配株主)

のれん税効果

これは超簡単だよね!

でも!ここで出てくるのれん(資産)に税効果を適用すると、

のれん税効果

となる。

個別税効果では、〔会計上の資産>税務上の資産〕の場合、繰延税金負債が計上されますが、連結税効果でも、〔連結上の資産>個別上の資産〕の場合、繰延税金負債が計上されます。

でも貸借一致してへんッ!!してへんやん!

そう、法人税等調整額なんて出てくるはずもなく、相殺消去に際して差額でポンって出てきたのれんに税効果を適用する場合、上のようになると考えられます。そして、この繰延税金負債って子会社の負債に帰属します。だからこの負債80だけ子会社の純資産が減るんです!!

のれん税効果

子会社純資産が80減ってますね。

すると、また投資と資本の差額がのれんになります!!(減った80を少数株主持分へ按分するかどうかはこの際どうでもいい)

でもさー、のれんに税効果を適用という考えなら、この、のれんⅡにも税効果を適用しないとダメでしょ!?

のれん税効果

のれんⅢ→のれんⅣ→のれんⅤ→・・・・ΣΣ( ̄◇ ̄;)!

永久コンボの完成ッ!!!

のれんと繰延税金負債が、オラオラオラオラッ!って出現し続けます。多分、数学的にはどこかで収束するんでしょうが、ここまでしなくても!ってことですよね。

「連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針」52号ではこれを循環と言っているのでしょう。

だから、特別に、のれんには税効果は適用しないとおっしゃっているのです!

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