Reply To: 税効果会計について

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#1520 Reply

あそ〜ん
Keymaster

説明には長い文章でしかも難解かも。

まず、税効果には繰延法と資産負債法があるのはご存知かと思いますが、まず繰延法で理解し、プラスで資産負債法を理解するのがベストです。
会計上の利益と税務上の課税所得がズレるのは、収益費用と益金損金にズレが発生するからですよね。それぞれ計算の目的が異なるからです。
そして会計上の利益と実際の支払う税金との対応関係のズレを修正するために税効果会計を行なう、というのが繰延法の考えです。

例えばその他有価証券を評価したとき(簿価100を時価110に評価替え)、その他有価証券評価差額金10(貸方)で、P/L計上はなし、税務上も時価評価しません。なのでズレは発生しないように思えます。繰延法の考えではP/Lの利益と税金の対応関係は保たれているため税効果不要です。これがかつての基準での会計処理です。

しかし資産負債アプローチなどから、B/Sを重視する考えが流行った時代があります。(今もそうかもしれませんが)
つまりB/Sの資産や負債は、将来の獲得CFを推測するために有用な情報であるべきというもので、上記の例で言うと、評価差額10だけ資産や純資産が増加していますが、そのうち税金分は将来の獲得CFに貢献しないのでは?という考えから繰延税金負債を計上しようということです。(ただし有価証券は売却されておらず、課税所得も発生していないので、現時点では『おそらく将来にこの額の税金を支払う』という意味の拘束された額)

例えば繰延法では、税効果の際使用する税率は『差異が発生した期の税率』ですが、資産負債法では『差異が解消する期の税率』を使用します。これが非常に重要なことで、繰延法であれば、当期のP/Lの利益と税金の対応のために当期の税率によって税効果を施せばいいのですが、資産負債法では、上でも書いたようにB/Sの金額からの将来の予測を重視するので、”将来どのくらい税金を支払う予定か”が重要であり、当期の税率ではなく、将来の税率が重要なのです。
実際には例えば、1,2年後に法人税率の変更が予定or可決されている場合で、それ以降に一時差異が解消するなら、その将来の税率を使って税効果します。

つまり、会計上の利益と税務上の課税所得がズレていないだけでは、B/Sの金額が適正とは言えなくなったため(その他有や繰延ヘッジなどのせい)、「会計上の資産負債と架空の税務上の資産負債に差異がある場合、税効果を施す」という処理に変わったわけです。
より理論的には、将来CFの予測に資するB/Sの情報を提供するために資産負債法ということであり、現行制度では”P/Lの税前利益と税金を対応させること”が税効果の主たる目的ではありません。
なぜか日商簿記のテキスト等では税効果の章で、”P/Lの税前利益と税金を対応させるため”みたいなことだけが書かれていますが、あれでは説明不足です。まるで繰延法の説明ですから。
もしよくわからなかったなら、さらに質問してください。

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第145回日商簿記検定まで
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