先日第137回日商簿記の2級3級の受験者データが公表されましたね。(日本商工会議所)
日商の受験生は減少傾向にあるとささやかれていますが、本当のところどうなんでしょ?
2級を例にとって見てみますと、今年の6月試験の実受験者数は40,330人。去年以前の6月のものと比べると次のようになります。(日商簿記2級統計グラフを参照)
実受験者数 | |
---|---|
H22.6 | 67,337名 |
H23.6 | 52,546名 |
H24.6 | 48,341名 |
H25.6 | 42,703名 |
H26.6 | 40,330名 |
5年間にわたり奇麗に減少傾向です。また日商3級や1級も同じような傾向が見られます。これは揺るぎない事実です!
しかしちゃんと過去のデータを見てみるとわかるんですが、大体平成18年以前は現在の水準とほぼ同じだったんですよ。つまり、最近までの数年間が異常に高かっただけ、ということ。
なぜ平成18年〜23年くらいまで受験者が高水準だったかというと、会社法改正、IFRS(海外の会計基準)の適用予想、会計士試験制度改正、度重なる会計基準改正、など会計業界を取り巻く様々なイベントが目白押しだったからです。そして業界の人材需要が高くなると想定した人たちが殺到したからこそ、日商簿記検定もその影響を受けていたわけです。
ではこの会計バブルはなぜ弾けてしまったのか?正確な理由はわかりませんが、そこまで人材需要が高まらなかったことが大きな原因かと思います。数年前から会計士就職難が言われていましたが、つまりは人が殺到しすぎてパンクしたって感じでしょう。
今、日商簿記を受けようとしている人はラッキーかもしれませんよ。なぜなら、会計バブルが弾けたと言いつつも、雑誌やネットに載っている「役立つ資格ランキング」で、日商簿記検定はいつも3位以内にいますからね。また需要は波であり、これから人材需要も高まることでしょう。そもそも、多くの人が殺到しだした後に自分も動き出すのは愚者の行為ですから。
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